・ジョイスティックに悩む

以前、こちらの記事で理想のシフターとして格ゲー用ジョイスティックをご紹介いたしました。

私の考える理想のシフターは一言で言うならば「シフターの形をしているなるべく安いスイッチ」というもので、この条件に合致しているのが件の格ゲー用ジョイスティックだったというわけです。

当時あの記事を書いたときには、手元にジョイスティックは届いていたものの、実際に組んで使用する段階まではいっていませんでした。

しかしいざ組んでみようとすると、このジョイスティックは取り扱いに少々難儀しました。元々がアケコン用のため、SUSコクピットへどうやってマウントするかということに頭を悩ませなければならなかったのです。

頭を悩ませている間は当然シフターが使えないわけで、そうなるとレースシムはオートシフトでやるか、G27のHパターンでやるか、あるいはギアを持たない車で走るかのいずれかとなります。

どれも悪くはありませんでしたが、やはりいちばんつぶしが利く単純なシーケンシャル方式のシフターがほしい。さらに言うならば形はやはりパドルがいいな(レバー式はG27のHパターンがあるので)、という思いがだんだん強くなってきました。

 

・Push-Pull方式への転換

そこで最初の『なるべく安く』という方針はどこへやら、パドルシフターの完成品を探すようになり、前回の記事でも触れたAscher-RacingのPush-Pull Rally Shifterの販売ページを久しぶりに訪れました。

そこで”Out of stock”の文字を見て、私はいささか落胆しました。もしシフターを買うならPush-Pull方式のこれが一番いいなと思っていたからです。

売り切れ……。他ののシフターにするか? あるいは当初の予定通りこのジョイスティックを使うしかないか……と手元にあるジョイスティックを眺めていたところ、ふと思いつきました。

「このジョイスティックを90°右に傾ければPush-Pull方式のシフターにできるのではないか?」と。

で、試行錯誤(というほどのものでもありませんが)を経て、ただ90°右に傾けるよりかはジョイスティックを分解し取り出したスイッチを使って新しく作ったほうがよかろう、という結論に達し、それが一応の形となったのが先日Twitterにてご報告いたしました以下のシフターです。

Twitterに上げたのち、少し調整を施しようやく完成と相成ったので以下ご笑覧いただければ幸いです。

 

・構造

構造は笑ってしまうほどに簡素なものとなってます。

木の板を2枚L字型に貼り合わせ、壁となる縦の板にはコントローラーの基盤とパドルのつくアーム(画像ではパドルを外しています)を蝶番で固定しています。床となる板にはジョイスティックについていたスイッチをふたつ配置しています。

 

パドルはL字型の金具を使いこのように装着します。

 

このユニット一式をブラケットを用いてハンコンのマウントに取付けるという形で固定しています。

 

ステアリングをつけた状態ではこのようになります。パドルの柄がステアリングのスポークとずれていますがあまり困ることはありません。ただかっこ悪いだけです。

 

・使い心地

使い心地は……まあ値段なりといったところでしょうか。

手応えは当然ながら非常に軽く、操作そのものにはいかなる感動もありません。また、手応えの軽さにより誤入力がそこそこの頻度で発生します。

ただ心配していた入力後のニュートラル位置への戻り(パドルが重いせいでスイッチのバネが戻らないのではないかという懸念)は意外にも問題がありませんでした。

そしてもちろん電子的な部分は元のジョイスティックそのままなので何の問題もなく機能します。

個人的には結構満足しています。念願のPush-Pull方式のシフターを、考え得る限りもっとも安く実現できたのですから。

唯一不満と言えなくもないのが見た目ですが、『春琴抄』に曰く、見たくないものを見ないためには目を潰せばよいのです。私がVRユーザーだったのは幸いでした。