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rFactor

開発 Image Space Inc.

 

[GTR2とは真逆の方向から初心者に勧めたいレースシム]

 

良いところ:カスタマイズの幅広さ
悪いところ:カスタマイズしないと何も無い

 

 最近になってレースシムが市民権を得てきたように思う。
ここで言う市民権とはゲームという枠組みの中でレースシムというジャンルが確立されたということではなく、実車で競技をしているような人たちに、レースシムの再現性が評価されてきているということである。
つまり、一昔前は所詮ゲームとしかみなされなかったものが、今では実車に通ずるトレーニングツールのひとつとして認められつつあるということだ。
このことはプロドライバーが大掛かりなハードウェアを使ったシミュレータの提供を商売として始めてきているということからも明らかだろう。

 

 モータースポーツはとかくお金のかかるものである。
道具がまず高いし、練習するのにも走行代、オイル代、タイヤ代、クラッシュすれば修理代、車がナンバー付きなら税金がかかり……
ため息しか出ないのでこの辺にしておこう。
モータースポーツは元々貴族のお遊びから始まった、なんて歴史を紐解くことをせずともそんなことはわかる。痛いほどに。
好きなだけ練習できればどんなにいいかと思うが、一体それをできる人がどれだけいるか。

 

 そこにくるとレースシムは素晴らしい。初期投資は多く見積もってパソコン代、ソフト代、コントローラー代、ネット代のみ。
どれだけ走ろうがクラッシュしようがお金はかからない。
そんなレースシムの素晴らしさをお伝えするこのブログ、今回紹介するのはrFactorである。

 

 rFactorとGTR2は同じ挙動エンジンを採用しており……なんてことは今改めて述べるまでもない。
これまでこのブログで書いてきた記事の数は決して多くはないが、それでももうgMortor2について書くのは飽き飽きしているのだ。
それはさておきこのふたつ、あまり似ていないように私には思える。
言うまでも無く、どちらも挙動は素晴らしい。
このことはわざわざ私が主張しなくても他にもっと説得力のある文章なりなんなりがいくらでも出てくるだろう。

 

 前回の記事で私はGTR2を絶賛したが(ついでに無様も晒したが)、
それは私のレースシム暦がGTR2によってスタートしていることが少なからず関係しているだろう。私は初めてプレイしたレースシムがGTR2であるせいか、どうしてもSimbinを贔屓してしまう。
rFactorを購入したのはGTR2の購入から三年ほど経ってからだったか。
インストールし、キーコンフィグを済ませ、いくつかMODを入れる。
そうしてしばらくプレイしているうちに、だんだんと後悔の念が浮かんできた。
不便なのだ。

 

 車の購入システムは不要に思える。こう思ったのは私だけではないようで、実際MODでは値段が極端に安く設定されているものが多く形骸化している。
車のクラスを変更するのにやたら時間がかかる。ボタンをクリックして切り替わるまでにワンテンポの待ち時間が入る。短いが、GTR2よりは長い。
ピットスピードリミッターはコースに出ても自動で解除されない。そもそも全車種に装備されていない。
雨の設定ができない……エトセトラエトセトラ。
limiter
GTR2の癖でリミッターボタンを押す。気付いた頃には制限速度の表示が消えていて、おっかなびっくりピットレーンを走る羽目になる。

 

 しかしこれは仕方の無いことでもある。
rFactorの発売は2005年なのに対し、GTR2は2006年に発売された。
いわば後出しじゃんけんであり、後発のGTR2のほうが便利なのはなんら不思議なことではない。
レースシムに限らず他のどんなジャンルのゲームでも、後から出たほうがいろいろと新機能が追加されたりして便利になっているのが普通だ。

 

 rFactorは発売から十年になろうとしている今でも新作MODが生み出され続けている。
これはGTR2も同じことだ。
しかし何故、GTR2だけではないのか?
何故冒頭で述べたような商業シミュレータで使われているのがGTR2でなくrFactorなのか?
何故rFactor2が出た今でも、他に新しいタイトルが多数ある今でも、rFactorのユーザーは多いままなのか?
その答えこそがrFactorがいろいろと便利になったGTR2に負けていない理由なのだ。

 

 ”Customize,Control,Connect”というのはrFactorのスローガンだが、これは言い得て妙だと思う。
rFactorの楽しみ方をこれ以上ないほど簡潔に、そして的確に表している。
車やコースのMODを入れる。練習する。そしてオンラインでレースをする。
なにもこうしたことはrFactorに限ったことではないが、rFactorの白眉は前提となる”Customize”、MODである。

 

 rFactorのMODの豊富さは郡を抜いている。rFactorになければ他のシムにはないと言っていいほどに。GTR2もかなりの数があるがrFactorはそれ以上だ。
有名カテゴリーからかなりマイナーなものまで。それどころか、現実には存在しないファンタジーコースも数多い。
たとえばコース。F1が開催されたコースは全てあるのではないかと思われる。
思われる、というのはあまりにも多すぎるがために全て確認できていないのだ。戦前に開催されたようなコースまであるのだから、多分あるだろう……。
国内のサーキットで言えばSGTのサーキットは言うに及ばず、ミニサーキットである備北やエビス、さらにはむつ湾スピードウェイのようなかなりコアなレースファンしか知らないようなコースまである。
コースは何もサーキットに限ったものではなく、グッドウッドやパイクスピーク、榛名峠など一本道のものも少なくない。
車もまた古今東西のあらゆる車両がフォーミュラ・ハコを問わずに存在し、中にはもはや車ではないような芝刈り機やポケバイなどというものまである。
この大量のMODの存在に起因する柔軟性こそがrFactorの一番の強みである。
ドリフトしやすい挙動で峠を流しっぱなしで駆け巡るのも、実車のトレーニングに使えるほどにリアルを追い求めるのも自由自在だ。

 

 一方で、豊富なMODが魅力ということは、裏を返せばMODを入れなければ魅力は無いということでもある。
rFactorにデフォルトで入っているのは12車種・16コース(カラーリング・レイアウトの違いは含まず)。
対してGTR2は24車種・15コース。
コース数はほぼ同じで車種数はダブルスコアとなっている。
GTR2では全てのコースと車が実在のものであるのに比べ、rFactorはコースも車も架空のものが混じっている。
もちろん架空だから悪いというわけではない。しかし実際のレースカテゴリーにある車やコースが欲しいと思っている人は少なくない。そうでなければ実在する車やコースのMODなど作られないだろう。
そうした面から見ると、やはりrFactorのデフォルトコンテンツはやや魅力に欠けると言わざるを得ない。

 

 GTR2はスクールの存在によって初心者にお勧めしたいと以前書いた。
だが今回ここで私は別の観点からrFactorを初心者に勧めたい。
MODを入れずとも一本のゲームとして完結しているGTR2に比べ、バニラではやや完成度の欠けるrFactorを最初にプレイすることは、
MODという概念の理解を助けることに大いに役立つのではないか。
GTR2でも遅かれ早かれMODを入れるようになるのならば、絶対数が多いrFactorのほうがいいのではないだろうか。
かく言う私もrFactorを買った理由はGTR2にないMODを使いたかったからだ。
私のように似たようなものを二つ買って後から買ったものに勝手に幻滅するよりは、最初から発展性の高いほうを買うほうがいいのかもしれない。
最も、MODをGTR2にコンバートするという手もあるのだが……。
とにかく、Simbin贔屓の私から見てもrFactorがGTR2に劣っていることは全くないというのが結論である。

 

rFactorにはダウンロード版、Steam版、DVD版とあるが、今ならSteam版が安く4GB対応もしているのでベストだろう。
ダウンロード版は25ドルと高く値引きもまずないだろうが、Steam版をタダでもらえる。
DVD版は買うべきではない。別に安くもなく、販売元の関係でSteam版をもらえない。経験者は語るのです……。